校長室から
令和7年度 高等部卒業式
今日は高等部の卒業式です。先日、3年生からお手製の素敵なコサージュをいただきましたので、今日はそれを胸に付けて式に臨みました。式は大変厳かな中にも温かみがあり、非常に落ち着いた雰囲気の素晴らしい卒業式でした。ご来賓の方々からもたくさんのお褒めのお言葉をいただきました。
以下は、校長式辞です。
(式 辞)
春の訪れを告げる鳥たちの囀りが暖かな風に乗り、生命溢れる大地に心地よく響き渡る今日の佳き日に、御来賓の皆さま方、そして保護者の皆さまのご臨席の下、埼玉県立行田特別支援学校 高等部の卒業証書授与式を挙行できますこと、心より感謝申し上げます。
さて、ただいま、卒業証書を授与された、二十八名の卒業生の皆さん、御卒業おめでとうございます。卒業生の皆さんは、今日まで本校で様々な経験と学びを積み重ね、深めてきました。今、私の目の前にいる皆さんは、一人一人、全員が堂々とした落ち着きと、自信に満ち溢れた表情をしています。校長として、今の皆さんを大変に頼もしく感じます。だから、明日からの、新しい世界への第一歩を決して恐れないで下さい。自分の力と明るい未来を信じること、そして、常にチャレンジ精神を持って前進し続けること、これを忘れないで下さい。
大丈夫です。皆さんには、困難を乗り越える力が備わっています。なぜなら、皆さんはこの行田特別支援学校で、友達と、そして先生方と、たくさんのことを学び、経験してきたからです。
三年生の五月には、最大の行事である、二泊三日の修学旅行がありました。飛行機で沖縄へ行きましたね。初めて乗る飛行機に不安だった人もいたはずです。しかし、帰りの飛行機では不安そうな顔をしている人はもういませんでした。沖縄では、埼玉とは違った文化に触れ、歴史を感じ、さらに、クラスメイトとの友情を深めることができました。
三年生最後のスマイル祭りでは、一人一人が作品制作をしたり、展示をしたり、また販売をしたりして、自分のやるべきことに集中し、スマイル祭りを熱く盛り上げることができました。まさに、本校の最高学部、最高学年にふさわしい取り組みでした。
部活動も頑張りました。昼休みや放課後、夏休みの暑い時期にも熱心に練習し、試合に向けて「負けじ魂」を貫きました。並みいる強豪校に次から次へと勝ち抜き、見事、準優勝を勝ち取ったバスケットボール大会は本当に素晴らしかったと思います。
今日、皆さんは本校を巣立ち、いよいよ社会人となります。皆さんがこれから生きていく社会は、これまでになく変化の大きな社会です。これまでの常識が通用しないこともあります。これまでのやり方が、簡単に変わってしまうこともあります。いつも楽しいことばかりではありません。時には、辛くて嫌だなと感じることもあるかもしれません。しかし、そんな時こそ、本校で培った、「負けじ魂」を思い出して下さい。そして嫌になってやめたくなった時にこそ、もうひと踏ん張りと自分の心に言い聞かせ、頑張って下さい。きっと、また、力が漲ってくるはずです。
そして、何か悩みを抱えた時には、ためらわず、ぜひ本校の先生方を訪ねて下さい。卒業後、本校は皆さんにとって、「母校」という特別な存在になります。決してひとりぼっちではありません。これから先、皆さんが幸せな人生を送られることを、先生方全員が心から願っています。
保護者の皆様方におかれましては、本日はお子様の御卒業、心よりお喜び申し上げます。お子様たちの世代は、これまでにない変化の激しい時代を生きていくことになります。時には価値観すら揺れ動いていく中で、「不易」と「流行」をしっかりと見極め、逞しく生き抜いていく力が求められています。どうか、今後ともお子様の良き理解者として、これまでと変わらずに温かく見守っていただけたらと存じます。
最後になりますが、卒業生の皆さんの幸せな未来を祈念し、また、保護者の皆様、そして、本校に関係する全ての皆様に深く感謝を申し上げ、式辞といたします。
令和八年三月十二日
埼玉県立行田特別支援学校長 寺嶋 毅
卒業生へ愛をこめて
愛は時には「過剰」に、そして「歪(いびつ)」にもなります。「過剰」か「歪(いびつ)」かはともかくとして、今日は高等部の先生方を中心に、卒業生に向けてエールを送る会がありました。
いろいろなゲストが登場し、生徒は大盛り上がりでした。
現場の状況を言葉で伝えるのは難しいので、あとは写真に任せます。
学校支援ボランティア まとめの会
学校支援ボランティア まとめの会を3月4日の16時より本校多目的室で行いました。ご参加いただいたボランティアの皆さま方には、お忙しい中、本当にありがとうございました。また、日ごろからのボランティア活動に対して、厚く御礼申し上げます。
3月のこの時期はまとめの時期であり、区切りの時期でもあります。本校においては、明日以降、各学部での卒業式練習が連日入ってまいります。子どもたちは地域の方々に支えられ、どの子どもも伸び伸びと自分らしく成長してまいりました。この子どもたちの弾けるような笑顔と笑い声が本校の魅力であり、推進力です。
本校では、性(生)の学習や防災教育など、命に係わる大切な学びを系統的に実施しております。子どもたちが、将来自立して幸せな人生を送れるような力を身に付けさせたいと考えているからです。
4月、新しいステージで元気に学び続ける子どもたちを、引き続き応援いただけるなら、これに勝る喜びはございません。ぜひ、次年度も温かなエールをよろしくお願いします。
令和7年度 全校保護者会
今日は4部に分けて全校保護者会を実施しました。ご来校いただいた保護者の皆さまには、御礼申し上げます。
以下は、本日の校長挨拶です。資料でお配りしたものとは多少、内容を変えてあります。資料と合わせてお読みいただければ幸いです。
(校長挨拶)
本日はご多用の中、令和7年度全校保護者会にご出席いただき、ありがとうございます。
3月に入りました。学校は学習活動のまとめの時期です。ちょうど冬という時期を耐えた蕾のように、これまでの学習の成果が子どもたちのちょっとした日常に垣間見える時期です。教育とは、焦ってはいけないし、過度な期待も禁物です。しかし、「可能性を信じる」という姿勢は決して失ってはいけないと思います。
さて、本校はコミュニティ・スクールの制度を柱として、地域の方々と協力し合い、地域と共にある学校づくりを進めております。小・中学部では、市内の小学校や中学校との交流会、高等部では誠和福祉高校に出向き、毎年交流を深めております。また、先日は、小学部高学年の子どもたち対象に、ギター教室というのも行われました。少し前には、手品ショーなどもありました。みんな地域の中で活躍されている方々をお招きして、教育活動の一環として実施しております。これらについては、各学部のブログや校長ブログで紹介していますので、お時間のある時にはご覧ください。
学校行事は年間を通してたくさんありますが、その中でも子どもたちが輝く行事と言えば、運動会や体育祭、文化祭(スマイルまつり)などでしょう。本校は、本年度も年間教育計画に則りながら、教育の充実を図っております。
小・中学部の運動会は5月24日(土)に実施しました。運動会のテーマは「笑顔いっぱい みんなが主役の運動会!」です。会場では、子どもたち一人一人が主役となり、大きな声援を受けて、最後まで自分の頑張りを表現してくれました。応援って本当にとても大事なものですね。自分の力以上の隠れた実力を引き出すことができる。小低の子どもたちは、4月当初は本当に頼りない様子でした。しかし、この運動会では、落ち着きも見られ、わずかな期間の成長ぶりに、ご来賓として参観されていた方々も、みなびっくりしていらっしゃいました。
また、高等部の体育祭は雨天で1日順延となり、6月1日(日)に実施しました。「徒競走」、「棒取り合戦」、「ギョウダンシング玉入れ」、「オールスターリレー」など、どれも最高学部にふさわしい内容と盛り上がりを見せてくれました。特に生徒が主体で行っている運営や企画については、これから後に続く2年生、1年生にもしっかりと次の世代へとバトンタッチができたのではないかと思います。
運動会、体育祭に加えて、もう一つの大きな行事があります。2学期に行われたスマイルまつりです。スマイルまつりは、全校一斉の行事。本年度は11月8日(土)に実施しました。スマイルまつりは、子どもたちの学習の成果を広く発表する場で、この日のために子どもたちは何か月も練習に、制作にと明け暮れ、様々に取り組んできました。小低、小高の子どもたちにはステージ発表がありました。体育館の後ろはスペースがないほど、お客さんで埋まっていました。何か月も練習を重ねてきた成果を一目見ようと、体育館の中は保護者の方や地域の方でたくさんの立ち見が出るほどでした。
また、中学部、高等部では各作業班が制作した作品や野菜などが大人気で、販売をしている会場は人いきれで汗ばむほどでした。校長室にも、生徒が制作した作品が、現在、飾ってあります。
この他にも、大きな校外行事がありました。遠足や修学旅行、宿泊学習などです。
本校では、宿泊学習は小学5年生と中学部2年生が1泊で、修学旅行は各学部の最終学年、すなわち、小学6年生が1泊、中学3年生が1泊、高等部3年生が2泊でそれぞれ実施をします。特に、高等部3年生の修学旅行は2泊なので、集大成の行事という意味合いもあります。令和7年度は、沖縄へ行ってきました。
ここでは今、大きな部分についてお話をしましたが、各学年、クラスで行っている内容については、それぞれの担任なり、学年から具体的に聞いていただければと思います。
子どもたちは校内での学び、校外での学びを通して、一人一人が自分の経験として貴重な内的財産を積み重ねていきます。積み重ね方は子どもの個性によって違います。したがって、保護者の皆さまには、ご自分のお子様の尺度を持って、焦ることなく目の前のお子様と向き合い、共に歩む姿勢を持ち続けてほしいと思います。
心理学者の河合隼雄先生は、原因や結果の関係を問い詰める考え方からいったん離れて、いろいろな事柄の全体像をあるがままの姿で把握することが重要だと言っています。つまり、そこに出来上がっていることをあれこれ原因を問い詰めるのではなく、認める姿勢がまずは大切なのだということです。不幸な出来事があった時に、その原因を一つ一つ問い詰めるのではなく、「でも、そのおかげでこんなプラスのこともあるんだ」と自分に腑に落ちるように物語ることが、生きていく上で私たちには必要なわけです。これを河合先生は、「コンステレーション(=星座)の発想法」と述べています。星がいくつか繋がって総体として北斗七星などの星座が見えるように、一つの星だけに限定するのではなく、目の前のありのままに見える現実をまずは認めることが必要なのだという考え方です。
4月から、新しいステージで学びが始まります。お子さんの「できないところ」ばかりに目を向けるのではなく、目の前のお子さんの全体像を見逃さないように、つまり、「この子に出会えてよかった」という大きな視点を持って個に応じた学びを進めていきましょう。今後ともよろしくお願いします。
令和8年度入学説明会
今日は、晴れ間が出たと思ったらすぐに雲に覆われてしまうような、どうにもすっきりしない天気でした。そんな空模様ではありましたが、本日13時30分より、令和8年度入学説明会を実施しました。
本校は、小学部から中学部、そして高等部に至る一連の教育活動を系統的に組み立てております。例えば、「性教育」に関する学びは小学部段階から高等部まで、「生きる」「生」と結び付けて「性」を学んでいくシステムとなっております。実際のところ、「性教育」については、ご家庭でもやりにくい、どうアプローチしたらいいかわからない、というのが正直なところではないでしょうか。特に思春期ともなると、その傾向は余計に強くなると思います。しかし、自分自身を大切にするためにも、そして、自分以外の相手の人格を尊重していく意味でも、年代に応じた「性」の学びを継続的に行っていくことは、将来にわたって幸せな生活を営んでいく上で欠かせないことなのです。
本校では、教育活動全般について、単発ではなく、しっかりとした系統的な学びを行っております。それはすなわち、高等部卒業後の進路を見据えて、学びを深めていくということです。本校を卒業した後、社会生活を営んでいくにあたってどのような力が必要とされるのか、その子に応じた学びとはどのようなものであるのか、それを教育活動全ての段階の学びに結び付けて、教育実践を推進しております。
教育とは、巷間言われるように車の両輪と同じです。ご家庭と学校とが協力して子どもの幸せな将来を考えていくことが大切です。そういった意味でも、本校の教育活動については、ぜひ保護者の皆さまにもご理解とご協力をお願いします。
ところで、入学までには、保護者の皆様にはいろいろとご準備していただくことがあります。ご負担となる部分も多々ございますが、スムーズなスタートとなりますようにご協力をお願いします。
4月は出発の季節です。お子様や保護者の皆様方にとって、新しいスタートが、お子様の幸せな未来へ向けての第一歩となるよう、本校職員も全力でサポートしてまいります。本校の一員として、共に学び合える4月を心待ちにしております。