校長室だより

冬木立小景

 一幅の静かな風景画のように、すっかり葉を落とした校庭の木々が子どもたちの活動を見守っています。遠くに聞こえる子どもたちの声が、時折風に乗って耳元に届きます。

 校庭を、本校の業務主任さんと一緒に歩いていたのですが、突然、「校長先生、狂い咲きですよ。」と言われました。近寄ってみると、可憐な桜の花が、精一杯の強気を装いながら三つ四つ、いやそれ以上咲いています。「カミキリムシにやられている木が多いですね…。卵を産み付けるから…。」と言う業務主任さんの口調には、どこか寂しさが漂っていました。

 「狂い咲き」は、季節外れに花が咲くことで、別名を「帰り花」とも、「忘れ花」とも言います。ふと思いました。人生にもそんな季節外れはあるのだろうな、と。薄いピンクの花は凛とした優しさを湛え、寒空の中を輝いて見えました。

 もし、ご来校の際、校庭を歩く機会があったら、可憐なピンクの花を探してみて下さい。